※開催レポート(2026年5月度 診療所事務長会・懇親会)
処遇改善や在宅医療の評価見直しなど
2026年度改定のポイントを解説
一般社団法人診療所事務長会は5月20日、グロッタ デ アモーレ 心斎橋で5月度セミナーを開催しました。今回のテーマは「診療報酬改定の最新トピック」。講師には保険医協会事務局次長の三村翔氏を迎え、2026年度診療報酬改定に関する最新情報や疑義解釈、実務対応のポイントについて解説が行われました。

■処遇改善と物価対応を軸に改定の方向性を整理
講演ではまず、2026年度診療報酬改定の全体像について説明が行われました。今回の改定では、医療従事者の賃上げや人材確保、物価高騰への対応が大きな柱となっており、ベースアップ評価料の拡充や「外来・在宅物価対応料」の新設などが盛り込まれています。
三村氏は、診療報酬全体としてはプラス改定となる一方、薬価や材料価格は引き下げとなる点にも触れ、「改定内容を正しく理解し、算定漏れを防ぐことが重要」と強調しました。
また、外来・在宅物価対応料については、同日再診でも再診料算定ごとに算定できることや、訪問診療時の算定方法など、実務上見落としやすいポイントについても具体的に説明。参加者は資料に目を落としながら熱心に聞き入っていました。

■生活習慣病管理料や電子的連携加算の注意点を解説
続いて、生活習慣病管理料や電子的診療情報連携体制整備加算など、外来診療に関わる重要項目について解説が行われました。
生活習慣病管理料では、療養計画書の患者署名が不要となったことや、包括範囲の見直しにより算定しやすくなった点を紹介。一方で、検査実施や次回受診日の取り扱いなど、新たに求められる運用面の注意事項についても説明がありました。
また、電子的診療情報連携体制整備加算については、届出を行うことで「明細書発行体制等加算」が算定できなくなる点に注意が必要と指摘。同一月内で初診料と再診料を算定する場合の扱いなど、疑義解釈を踏まえた実務対応についても具体例を交えて解説されました。
三村氏は、「疑義解釈や事務連絡は改定後も随時更新されるため、告示・通知だけでなく、その後の情報確認も欠かせない」と呼びかけました。

■在宅医療の体制強化と情報共有の重要性
講演後半では、在宅医療分野における評価体系の変更について説明が行われました。
在宅療養支援診療所・支援病院では、24時間対応体制の明確化や、複数医師で対応する際の情報共有ルールなどが新たに位置付けられています。特に強化型在宅療養支援診療所(連携型)については、連続した24時間対応の要件が追加されるなど、体制整備の重要性が高まっていることが紹介されました。
さらに、「事務連絡その4」に在宅医療に関する重要事項が多数盛り込まれているとして、在宅医療に取り組む医療機関は必ず確認してほしいと呼びかけました。
勉強会終了後の懇親会では、参加者同士が改定対応や現場の課題について意見交換を実施。診療報酬改定への理解を深めるとともに、地域医療を支える事務職同士のネットワークを広げる場となりました。

なお、次回セミナーは7月15日(水)、医療法人THM 森口クリニックの呉林康宏事務長、大阪樟蔭女子大学健康栄養学部の井尻吉信教授を講師に迎え、「通い続けたくなる診療所のつくり方」をテーマに開催される予定です。申込開始は、ホームページでご案内します。
また、診療所事務長会では、今後もさまざまなセミナーを開催していきます。聞きたいテーマやご要望などがありましたら、ぜひ「お問い合わせ」フォームよりご意見をお寄せください。
