2023年第1回診療所事務長会

医師で弁護士の山崎祥光が教える 

「事務長ができるトラブル予防法」開催レポート

 

3月15日に開催いたしました2023年第1回診療所事務長会では、医師で弁護士の山崎祥光先生に講師をお願いし、「事務長ができるトラブル予防法」セミナーを開催いたしました。

当日は、会議室の定員を超える40名以上の方にお申込みをいただき、会場キャパの都合でお断りさせていただいた方もいらっしゃしました(反省して、次回以降は広い会場に変更します)。

今回は残念ながら参加できなかった方のために、セミナーの一部をこちらで報告させていただきます。また、セミナーの詳しい内容は、月刊「クリニックばんぶう」5月号にもレポートされる予定です。お楽しみに☆

 

 

■損害賠償を払わなければいけないのはどんなとき?

「自費で検査を受けたけど、他のクリニックのホームページを見たら、もっと代金が安かった。ちゃんとした説明を受けていないし、今回の代金は支払わない」「お宅で点滴をしてから腕がしびれて荷物も持てない。どうしてくれるんだ」など、クレームに日々接している事務長さんは多いのではないでしょうか。

ひたすら患者さんの声に耳を傾けて落ち着くケースはよいのですが、損害賠償を払わなければいけないときはどんなときなのか。根拠となる法律をもとに、解説していただきました。ただ、実際はどこからが医療機関側の過失になるのか、ケースバイケースで判断されることも多く、きっちりとした線引きは難しいようです。

 

■トラブルは初期対応が大切

 「患者さんからのクレームがこじれるのは、初期対応を間違ったときが多い」という山崎弁護士。現場レベルで、クレーム対応の順序や体制を整えておくことの必要性を説いてくださいました。初期対応は多くの院ですでに行われているように「患者さんの声にひたすら耳を傾ける」対応が基本ですが、この際、「共感はしていい」が「すぐにその場で回答しなくていい」「事実の有無を確認してから対応する」ことが法人を守ることにつながるとアドバイスいただきました。

このほか、カルテの開示請求にまつわる注意事項や示談交渉における注意点なども解説いただきました。

 

■セミナー終了後も自院のトラブル相談が続々

「支払いが滞って未払い金が積み重なっている患者さんに、どう対応したらいいのか」「交通事故の診断書の書き方をめぐって、患者さんと対立している」「度重なるクレーマー患者さんとのやりとりを録音してもよいのか」など、セミナー終了後だけではなく、その後の懇親会会場でも山崎弁護士への質問が絶えない会となりました。次回、山崎弁護士にセミナーを依頼する際は、質問タイムを多めに設定しようと思います。

 

■恒例の懇親会もにぎやかでした!

 

■次回は5月17日(水)18:30~小児科理事長によるセミナーです

2023年2回目の診療所事務長会は、大阪府堺市で小児科2院を運営する医療法人社団ワッフルの理事長で、わが診療所事務長会の顧問でもある中野景司理事長をお迎えします! テーマや会場などは、追って広報させていただきますので、ふるってご参加ください!

また、診療所事務長会では、今後もさまざまなセミナーを開催していきます。聞きたいテーマやご要望などがありましたら、ぜひ「お問い合わせ」フォームよりご意見をお寄せください。