2025年第4回診療所事務長会

もう税務調査は恐くない

診療所に関わる税務の疑問を解決

 

9月17日、2025年第4回診療所事務長会勉強会が開催されました。今回は西﨑法智氏(税理士事務所ONE A/株式会社メディカルアシスト代表取締役)を講師に迎え、「事務長アップデート!~“経営感覚”を身につけて一歩先へ~」をテーマに税金や会計について学びを深めました。日々の業務で直面する疑問を解きほぐしながら、医療機関経営に欠かせない知識を実践的に整理できる内容となりました。

参加できなかった方のために、セミナーの一部をこちらで報告させていただきます。

■税務の一問一答

 

第1部では、診療所経営に関わる税務上の疑問を具体的な事例を交えて解説いただきました。「外車は経費になるのか」「旅行や食事代はどこまで認められるのか」といった日常的なテーマから、「役員の人間ドック」「スポーツジム利用」「NetflixやAmazonプライムの活用」といった身近な事例まで幅広く紹介されました。すべてに共通するポイントは「事業との関連性をどのように理由づけできるか」という点であり、税務調査においても重要な視点になると強調されました。

 

■貸借対照表の読み方

続く第2部では、損益計算書に比べ理解が難しいとされる貸借対照表の見方をテーマに講義が進められました。特に重要なのは「当座資産」と「長期借入金」の関係であり、手元資金と負債のバランスを読み解くことが経営状況を把握するうえで不可欠であると指摘されました。数値の表面的な増減にとどまらず、資金繰りや投資判断といった経営判断につながる観点を持つことで、事務長が経営参謀としてより大きな役割を果たせることが強調されました。

■医療機関が注目されるのは接待交際費

 

日常業務で直面しやすい経費処理の判断基準や、貸借対照表を通じた経営の読み取り方を実践的に学ぶ機会となりました。

また近年はAIによる調査対象の抽出が進んでおり、医療機関を対象とした税務調査は、接待交際費や備品消耗費、旅費などに注目が集まることも紹介されました。

単なる経理処理の知識にとどまらず、税務に対する姿勢など重要性を再確認できた内容であり、参加者からも質問が相次ぎました。

 

 

■次回は11月15日(土)15:30~事務長サミット2025です

 

2025年最後の診療所事務長会は「事務長サミット2025」です。第1部は講師に新井川真佐子氏(株式会社秋桜プランニング代表取締役)を迎えて「院長不在から始まった闘い」を演題にご講演いただきます。第2部では「人事労務のケーススタディ」をテーマに専門家である山﨑祥光氏(弁護士)、大北一氏(社労士)、中尾友美氏(社労士)を軸に、全員参加型の事務長サミットを行います。

今後も診療所事務長会では、事務長が一歩先を見据えて活躍できるよう、実務に直結する学びの場を提供してまいります。聞きたいテーマやご要望などがありましたら、ぜひ「お問い合わせ」フォームよりご意見をお寄せください。