2024年第1回診療所事務長会

あなたのクリニックは大丈夫⁉

災害時にクリニックの果たす役割は

~BCP作成の勧め~

 

3月13日に開催いたしました2024年第1回診療所事務長会では、日本DMATで災害医療に携わり、災害医療専門コンサルティング会社として株式会社DEEPSを設立されている川田真大医師をお招きしました。約60名の方にご参加いただき、災害時の対応について考える勉強会になりました。

今回は残念ながら参加できなかった方のために、セミナーの一部をこちらで報告させていただきます。また、セミナーの詳しい内容は、月刊「クリニックばんぶう」5月号にもレポートされる予定です。お楽しみに☆

■クリニックの建物が壊れたり、浸水したりしたらどうするか

 DMATとは、「災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム」と定義されており、災害派遣医療チームDisaster Medical Assistance Teamの頭文字をとって略した呼び方です。川田真大医師は、日本DMATとして大阪北部地震や関西国際空港タンカー衝突事故、熊本洪水災害、新型コロナウイルス感染症対応などに関わり、災害時の混乱を目の当たりにしてきました。この経験から、ハザードマップなどでクリニックが受ける被害を予想し、スタッフの安全や患者対応などの災害時対応について普段から考えておくことが大切だと言います。

 

■被災したら考えておきたいこと

震源地からの距離にもよりますが、被災すると電気やガスなどのライフラインが止まります。復旧するまで3日程度はかかるため、「その間、何ができるでしょう?」と川田医師は会場に問いかけました。スタッフとの連絡手段はどうするのか。患者はどこにいるのか。診察はできるか。そもそもクリニックの被害はあるのか。収入がなくなるのではないか、被災によりスタッフが離職するのではないか、診療して処方箋を出しても薬は出せるのか……など、具体的に想定しておかなければならないことについて川田医師が次々と問いかけ、参加者はどんどん真剣な表情になっていきました。

 

■BCP作成のススメ

災害時の対策に役立つのは、最近、よく聞くようになったBCPだと川田医師。緊急事態における事業継続計画(Business Continuity Planningの頭文字)のことで、緊急時でも事業を継続するための計画を立てることです。介護事業所や訪問看護事業所ではBCP作成を義務付けられており、クリニックでもそのうち義務化されるはずだと川田医師は予測しています。いざというときに対応できるようにするためにも、義務化される前から作成し、訓練しながらブラッシュアップしていくことが大切だと話し、会は終了となりました。

 

■次回は5月15日(水)18:30~診療報酬に関するセミナーです

2024年2回目の診療所事務長会は、診療報酬改定への対応に関わっていらっしゃる保険医協会事務局次長の三村翔氏をお迎えします。テーマは「診療報酬改定の最新トピック」です。申込開始は、こちらでご案内します。

また、診療所事務長会では、今後もさまざまなセミナーを開催していきます。聞きたいテーマやご要望などがありましたら、ぜひ「お問い合わせ」フォームよりご意見をお寄せください。