2025年第2回診療所事務長会

クリニック事業承継の最新事情

~スムーズに承継手続きを進めるポイント

 

5月21日に開催いたしました2025年第2回診療所事務長会では、クリニックの事務長経験があり、現場目線で医療機関の支援を専門とする行政書士の濱崎真悟氏(行政書士イシカル法務事務所代表)を講師にお招きし、「リアルな事例から学べる!クリニックの事業承継の最新事情」をテーマに講演していただきました。

参加できなかった方のために、セミナーの一部をこちらで報告させていただきます。

 

 

■高齢化で承継問題が増える診療所

クリニックを運営する医療法人の理事長や勤務医の高齢化はかなり進んでいます。2024年の医療機関の休廃業・解散は700件を超えており、80%以上が診療所で、最大の要因は経営者の深刻な高齢化です。日本医師会のアンケート調査では、診療所の半数以上は後継者がいないと回答しています。今後、高齢化がさらに進むことで、経営者の健康上の問題や死去によって廃業となる診療所は、年々増え続けることが予想されます。

 

 

■医療法人事業承継のメリット・デメリット

ます、医療法人の事業承継についてメリットとデメリットについてそれぞれ説明がありました。

医療法人には「出資持分あり医療法人」と「出資持分なし医療法人」の2種類があります。一般的には“持分あり”が人気ですが、それぞれのメリット・デメリットを解説していただくとともに、一般社団法人の現状や今後についても注意点を指摘していただきました。

 

 

■早めの準備でスムーズな事業承継

事業承継を考えるとき、譲渡する側、譲受する側のいずれであっても、診療所の評価と価値算定がポイントとなります。そこでは営業利益に注目しがちですが、診療所が保有している医療機器など固定資産等を総合的に評価し、適正な譲渡価格を算出することが重要です。さらには譲渡するタイミングも注意が必要になります。譲渡日が1日違うだけで、経費が大きく変わることもあります。

診療所の承継をスムーズに進めるためには、早めに準備を進めておくことが重要です。特に、手続きについてはローカルルールや公開されていない工程などもあるので、事前に行政書士などの専門家に相談することがおすすめです。

 

 

■次回は7月16日(水)18:30~医療機関の接遇に関する勉強会です

2025年3回目の診療所事務長会は、いつも当会の司会を担当していただいている後藤真由美氏(株式会社アール・ド・ヴィーヴル代表)を講師にお迎えします。申込開始は、こちらでご案内します。

また、診療所事務長会では、今後もさまざまなセミナーを開催していきます。聞きたいテーマやご要望などがありましたら、ぜひ「お問い合わせ」フォームよりご意見をお寄せください。